お茶の風味は、湯温、湯量、茶葉の量、抽出時間、抽出方法、水質によって随分と変わります。これがよく「淹れ方が難しい」と躊躇される原因でもありますね。
でも、ちょっとだけお茶のことを知ってください。きっとあなたにも美味しいお茶を淹れることができます。
お茶はご存知のとおり、たくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。一般に、おいしいお茶の淹れ方というのはそのお茶の特徴を引き出す淹れ方といえます。

上〜中級の煎茶や白折(茎茶) <お茶の説明>
一度沸騰したお湯を人数分、湯のみに取ります。
湯さましという専用の道具もあります)
茶葉は4〜5g(大さじ1杯位)。杯数が多い時は茶葉も少し増やします。
(冬は急須も湯せんしてあらかじめ温めておきましょう)
湯のみのお湯を急須に注いで40〜50秒待ちます。
各湯のみに濃淡がないように、順番にまわしつぎをします。
おいしい二煎目を楽しむために最後の一滴まで注ぎ切ってください。
約70度が適温です。湯温を低めにして抽出時間を長くすると、お茶の旨味がより引き立ちます。
一方、高めにして抽出時間を短くすると香りが引き立ち、すっきりとした味になります。
番茶、玄米茶、ほうじ茶 <お茶の説明>
茶葉は4〜5g(大さじ大盛1杯位※)。杯数が多い時は茶葉も少し増やします。
(※茶葉が大きめのものや開いたものは軽いので多めに入れてください)
一度沸騰した熱いお湯を直接注ぎます。
20〜30秒待ってから各湯のみに濃淡がないように、順番にまわしつぎをします。
おいしい二煎目を楽しむために最後の一滴まで注ぎ切ってください。
玄米茶やほうじ茶は香ばしい香りをより引き立たせるために熱く淹(い)れましょう。
番茶とは (緑茶Q&A)
玉露、玉露白折(雁音) <お茶の説明>
一度沸騰したお湯をご準備ください。湯さましに必要なお湯を取り約2分(冬は約1分)放置するか、複数の器に移し替えます。
手がやや熱く感じる位(約50度)が目安です。
お使いになる急須や湯のみを湯せんして温めてください。

温まった急須に、約7g(大さじ大盛1杯位)の茶葉を入れます。

適温になったお湯を急須に注ぎます。 一杯分はぐい飲み一杯弱とお考えください。ただし茶葉がたくさんのお湯を吸収するので少し多めに注ぎます。
約2分待ってから各湯のみに濃淡がないように、順番にまわしつぎをします。
おいしい二煎目を楽しむために最後の一滴まで注ぎ切ってください。
二煎目は湯温を少々高く湯量も多めにして、甘味とともにほのかな苦味が楽しめます。
すすり茶(しずく茶) ※ <説明>
一度沸騰したお湯をご準備ください。湯さましに必要なお湯を取り約2分(冬は約1分)放置するか、複数の器に移し替えます。
手がやや熱く感じる位(約50度)が目安です。
フタ付きの湯のみを湯せんして温めます。
温まった湯のみに、4〜5g(大さじ1杯位)の玉露を直接いれます。
適温になったお湯を茶葉が軽く浸る程度まで注ぎ、フタをして約2分待ちます。
フタをずらして隙間からお茶を飲みます。茶葉がお湯を吸収するので飲めるお茶の量はわずかしかありません。まさに濃縮されたお茶のエキスをいただく感じです。
すすり茶はお茶の種類ではなく飲み方です。
二煎目はお湯の量を増やして飲みます。茶殻は酢醤油をかけて食べてみてください。上級煎茶でも同様な飲み方ができます。
水出し煎茶 <お茶の説明>
ティーバック1,2袋を入れた容器に水を少し入れ、しっかりと振ってください。色が十分に出たら水を1リットルまで増やします。
そのまま冷蔵庫にいれて冷やします。すぐにでも飲むことはできますが、1,2時間待った方がより味が出て美味しくなります。(ティーパックは入れっぱなしで構いません)
急須でも淹れることができます。
また、保冷ポットでつくる場合は水を増やす時に氷も一緒に入れます。例えば、お盆にお客様を大勢迎えるときに大変便利です。
ティーバックの抽出能力は商品ごとに異なりますので、商品に記載のつくりかたを参照してください。
当日中か遅くても翌日までに消費してください。





美味しいお茶を淹れるには知っておくべきポイントが3つあります。

まず、 お茶の旨味と香りの関係 について、
    ● 旨味成分(甘味やコク)は低い温度でじっくりと淹れたほうが抽出されます。
  ● 一方、香りは高い温度で淹れたほうがより引き立ちます。
 
次に、お湯の温度と抽出時間の関係 です。
    ● 熱いお湯ほど抽出時間は短くします。さもないと渋味や苦味が目立つお茶になります。
  ● 抽出時間を長くするならば湯温は低くします。
 
最後は、今から淹れるお茶の特徴を知る ことです。例えば・・
 
うまみ系 高級茶(上級煎茶玉露など)は旨味成分が多く含まれます。
  それを引き出すために湯温はやや低めにじっくりと抽出させて淹れます。
 
さっぱり系 番茶はさっぱりとした味が身上。
  もともと旨味成分は少ないので時間をかけて抽出しても意味がありません。
熱いお湯でさっと淹れ、適度な渋味もあったほうがおいしいです。
 
中間 中級の煎茶白折(茎茶)などは上記の中間。
  熱めのお湯でさっぱりとした味にするもよし、少し冷ましたお湯でていねいに旨味を引き出すのもよし、気分に合わせてどうぞ。
 
香り系 玄米茶やほうじ茶は香ばしい香りが命。
  香りが引き立つように、熱いお湯でさっと淹れます。
 
素早い系 粉茶は色や味が出るのが早い。
  あまり長く抽出させると濃くなります。茶葉の量もやや少なめに。
上質な粉茶なら、少し冷ましたお湯で適度に時間をかけると旨味が出ます。


お茶の特徴に合わせて淹れかたを変えるのは美味しいお茶の基本です。でも、お茶は趣向品ですからこの方法で淹れないとダメ、ということは決してありません。自信をもってあなたのお茶を淹れてください。
なお、他にもお茶の味や見栄えを左右するポイントがあります。下記もぜひ参考にしてください。


水質 の違いで驚くほどにお茶の味が変わります。
 
水道水は完全に沸騰させてカルキ分をとばします。ミネラルウォーターなら軟水を使います。
建物によっては水質が悪く、浄水器を通しても改善しないことがあります。その場合はミネラルウォーターを使ってください。

茶葉の量 について。
 
湯のみ1,2杯で茶葉4〜5グラムが適量です。小さじ一盛程度ですが、安いお茶は茶葉が大きいので多めに、粉茶はやや少なめに調節してください。 玉露は茶葉6〜7グラムが適量です。
人数が増えたら茶葉も少し増やします。増やしすぎは意味がありません。

急須を 揺すりすぎない
 
早くだそうと急須を揺すりすぎると、色ばかりで味がないお茶になります。茶葉が開くのを待つゆとりを持ちましょう。

湯のみで お茶の水色 が変わります。
 
土色の湯のみではお茶の色がきれいに見えないのはご想像のとおりですが、有田焼などの白磁でも、微妙な色目の違いで水色が随分と変わります。
おすすめは、わずかに青みがかった湯のみです。お茶がより鮮やかな緑色に見えます。逆に好ましくないのは赤みがかった湯のみです。来客用の湯のみ選びに覚えておきたいポイントです。














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